1匹の保護猫に医療費15万円?Web屋の僕が知らなかった「命を救うコスト」の真実と「ボランティア」の限界を変えたい!
【重要:過去の活動記録に関する免責事項】
この記事は2026年2月6日までの活動記録であり、現在は独立した支援メディア「CO-RESCUE」として運営されています。記事内の寄付や支援の募集はすべて終了しております。 また、会計報告や活動実務の内容については、当時の代表者に帰属し、当サイト運営者(CHIYO HEART)は内容の正当性を保証するものではありません。詳細は免責事項をご確認ください。
当メディアは、特定の活動現場に依存しない「伝え手」として、不幸な命を増やさないための情報を発信しています。この記事は、当時の状況を客観的な事実として記録し、独立した第三者の視点から分析を加えた一つの事例報告です。過去の経緯を透明性を持って共有することが、これからのクリーンで持続可能な救済の形を考える一助になると確信しています。
SNSでみた、ある保護活動者の切実なメッセージ。
そこには、僕が想像もしていなかった「数字」が並んでいました。
この記事では、Web屋である僕が独自に調べた医療費の現実、そして「善意」という言葉に甘えて活動者を破滅させている社会の仕組みについて、私個人の意見として本音で書き記します。
大きな出費は平均1匹あたり15万円前後しました。
Instagramの@motonekonekoより引用
15万円…。
一匹の弱った猫を保護して送り出すのにそんなにお金がかかるの?
驚くのも無理はないニャ。でも、これが『命を繋ぎ止める』ためにどうしても必要なリアルな数字なんだニャ。
※記事内の情報に関するご注意
本記事に記載されている病名や医療費、助成制度の詳細は、HPサポーターである筆者が2026年1月時点の公開情報を独自に調査し、個人の見解としてまとめたものです。
医療費は動物病院の診療方針や猫の症状により大きく異なり、助成金制度も年度や地域によって変更される場合があります。
正確な最新情報については、必ずかかりつけの獣医師や、お住まいの自治体窓口へご確認ください。
保護猫たちが直面する「病気」の現実
投稿には、現場で直面してきた病気の名前がリストアップされていました。
エイズ陽性 コロナウィルス陽性 パルボウィルス陽性 癌 糖尿病 重度の腎不全…。
エイズっ!?
代表からも聞いた事あるし、他の保護猫募集とかのサイトでも猫エイズってあるよね?
猫エイズって大丈夫なの?
猫エイズは人間には100%うつらないよ。家の中でストレスなく暮らせば、発症せずに天寿を全うする子もたくさんいるんだニャ。
保護の現場でよく聞く「5つの病気と状態」
ここでは、現場で活動する方々が特に神経を使い、かつ多額の医療費が発生する主な病気についてまとめました。
猫エイズ(FIV:猫免疫不全ウイルス感染症)
| どんな病気? | 免疫力が低下する病気ですが、人間には絶対にうつりません。 外猫時代の激しい喧嘩で感染することが多い。 |
| 現場での対応は? | 不治の病と思われがちですが、完全室内飼育でストレスを抑えれば、発症せず普通の猫と変わらない寿命を全うする子も多いのが事実です。 |
猫パルボウイルス(猫汎白血球減少症)
| どんな病気? | 感染力が非常に強く、致死率も極めて高い恐ろしいウイルス。 一晩で命を奪うこともあり、現場が最も恐れる病気。 |
| 現場での対応は? | 徹底した隔離と、24時間体制の入院治療・点滴が必要になるため、医療費は一気に跳ね上がります。 |
猫の風邪(カリシウイルス・ヘルペスなど)
| どんな病気? | 人間の風邪に近いですが、猫の場合は失明や肺炎に繋がる重病です。 |
| 現場での対応は? | 保護される子猫の多くが患っています。 軽度なら目薬や飲み薬で済みますが、重症化すると強制給餌やネブライザー(吸入治療)が必要になり、完治まで数ヶ月かかることもあります。 |
慢性腎不全
| どんな病気? | 腎臓の機能が徐々に失われる、高齢猫に非常に多い病気。 |
| 現場での対応は? | 完治はせず、進行を遅らせるための「療法食」や「定期的な皮下点滴」が生涯必要になります。 医療費が「点」ではなく「線」でずっと続くため、活動の財政を圧迫する大きな要因です。 |
子宮蓄膿症
| どんな病気? | 子宮に膿が溜まる、未避妊のメス猫に起こる緊急性の高い病気。 |
| 現場での対応は? | 放っておくと死に至るため、発見即手術となります。 夜間救急や緊急手術になるケースが多く、1回の手術で10万円以上の費用が発生することも珍しくありません。 |
ただ風邪をひいているだけじゃなく、命に関わる手術や、一生続くケアが必要なケースがこんなにあるんだね。
そうニャ。おまけに、これらは氷山の一角ニャ。怪我をして保護される子や、シッポを切断しなきゃいけない子だっているんだニャ…。
だからこそ『1匹15万円』という数字は、決して大げさな数字じゃないんだと納得したよ。
1匹を救うためにかかる医療費の目安(平均)
保護現場で、実際にかかっている医療費のボリューム感をまとめました。
| 初期医療セット | 約30,000円 〜 50,000円 血液検査、ワクチン、駆虫、不妊去勢手術、マイクロチップ |
| 重度の猫風邪 | 約20,000円 〜 50,000円 インターフェロン投薬、点滴、ネブライザー、長期通院 |
| 猫パルボウイルス | 約100,000円 〜 150,000円 隔離入院、24時間のバイタル管理、抗血清治療 |
| 子宮蓄膿症 緊急手術 | 約100,000円 〜 150,000円 深夜・休日対応、緊急手術、術後の入院管理 |
| 慢性腎不全(月額) | 約15,000円 〜 30,000円 療法食、定期的な血液検査、自宅での皮下点滴代 |
| 外傷・骨折手術 | 約150,000円 〜 300,000円 レントゲン、外科手術、ピン固定、リハビリ通院 |
初期費用だけで3万円以上…。そこに病気や怪我が重なったら、あっという間に15万円を超えてしまう数字だね。
そうニャ。これはあくまで『医療費だけ』の数字。ここに毎日食べるご飯代や、砂代、移動のガソリン代などが乗っかってくるニャ…。
@motonekonekoが言ってるように、一律の譲渡金(3〜5万円)では、初期費用を払うのが精一杯。病気の子を救えば救うほど、活動費が火の車になる理由が数字でよく分かったよ。
保護猫に「ペット保険」は使えないの?
そんなに医療費が高いなら、保険に入ればいいんじゅない?
保護活動の現場には、保険が使えない3つの高い壁があるんだニャ。
| 過去の病歴がわからない | ペット保険に加入するには、健康状態の告知が必要です。 外で過酷な生活を送ってきた保護猫たちは、保護した時点で何らかの病気を抱えていることが多く、その時点で「加入不可」となったり、特定の部位が「補償対象外」になったりすることがほとんどです。 |
| 年齢が特定できない | 多くの保険には加入可能な年齢制限がありますが、野良猫は正確な誕生日がわかりません。 獣医師の推定年齢で加入できる場合もありますが、高齢で保護された子は最初から対象外になってしまいます。 |
| 多頭飼育のコスト | 保険料は1匹あたり月々数千円かかります。 常に多くの猫を保護している場合、全ての猫に保険をかけると、それだけで月に数万〜十数万円の固定費が発生します。 いつ来るかわからない病気への備え(保険料)を払うより、今、目の前で苦しんでいる子の治療費にお金を回さざるを得ないのが、保護現場の苦しい決断なのです。 |
なるほど…。個人で猫を飼うなら保険は有効だけど、入れ替わりのある保護活動の現場では、仕組みとして難しいんだね。
そうニャ。おまけに、パルボみたいな感染症の集団治療や、緊急手術は保険の対象外になることもあるニャ…。
だからこそ、誰かが決まった額を払う保険ではなく、みんなで少しずつ出し合う『支援』がセーフティネットになるんだね。
行政や団体の「補助制度」は使えないの?
国や自治体、公益団体による支援制度は存在します。
しかし、これらはあくまで「不妊・去勢手術(繁殖制限)」に特化したものが多く、病気の治療にはほとんど使えないのが実情です。
全国的な仕組み
公益財団法人の支援
日本全国で最も有名なのが、公益財団法人「どうぶつ基金」による「さくらねこ無料不妊手術チケット」です。
| 内容は? | 協力病院での不妊去勢手術代、ワクチン、ノミ・ダニ駆除が無料になります。 |
| 病気にはつかえる? | 非常に強力な支援ですが、「病気の治療」には使えません。 また、協力病院が近くにない場合、猫を遠方まで運ぶ移動コスト(時間・ガソリン代)は全て活動者の負担になります。 |
岩手県の仕組み
岩手県獣医師会の助成
岩手県では、県内の獣医師会が主体となって助成事業を行っています。
| 内容は? | 飼い主のいない猫の不妊手術に対し、メス5,000円、オス2,000円程度を助成。 |
| 病気にはつかえる? | 県全体で年間の予算(頭数)が決まっており、多くの場合「抽選」です。 外れれば全額自己負担。 また、この助成も「手術」に限定されており、怪我や感染症の治療には1円も出ません。 |
活動者さんの拠点である久慈市の仕組み
現在、久慈市において不妊・去勢手術の補助を受ける主なルートは、「岩手県獣医師会」が実施する助成事業です。
久慈市役所の窓口で申請を行いますが、これは市独自の予算ではなく、あくまで岩手県獣医師会の受付窓口としての機能です(令和7年度1月時点)。
不妊手術の補助はある程度揃っているんだね。でも、どこまで行っても『手術代の一部』なんだ…。
そうニャ。補助金で蛇口(繁殖)を閉めることはできても、今まさに溢れている水(病気や怪我で苦しむ命)を救うお金は、どこからも出ないのが現実ニャ。
つまり、パルボで15万円かかっても、補助金は0円。結局、活動者が私財を削るか、支援を募るしかないってことだね。
なぜ「ボランティア」は自己犠牲が当たり前なのか?
昨年11月からホームページ運用をサポートし始め、活動のリアルを見てきた僕には、どうしても拭いきれない違和感があります。
今回ご紹介したインスタの投稿だけでなく、活動に関わるようになってから、全国で活動されている方々の凄まじい「苦悩」を幾度となく目にするようになりました。
それは、日本における「ボランティア=無償・自己犠牲」というあまりにも強いイメージです。
ここから先に書くことは、一人のWeb屋、一人の人間としての僕の「本音」です。
「ボランティア」という言葉が、活動者を苦しめてはいないか
日本には「ボランティア=無償、自己犠牲」というイメージがあまりにも強く根付いていると僕はおもいます。
そして、そのイメージこそが、活動者たちの首を絞めている元凶だと僕は感じています。
誰かの落とし物を届けること。
道案内をすること。
もちろんそれも立派なボランティアです。
でも、目の前で消えそうな一つの命を預かり、24時間体制で守り抜く。
病気になれば病院へ走り、高額な医療費を工面し、新しい家族が見つかるまでその一生に責任を持つ。
これほどまでに重く、過酷な活動を、片手間のゴミ拾いと同じ「ボランティア」という一言で片付けてしまって、本当にいいのでしょうか。
僕はあえて問いかけたいんだ。今の仕組みは、活動者の善意を『搾取』しているだけなんじゃないかって。
ニャ……。全国の活動者さんは、自分の時間(命)や私財を犠牲にして。それでも『ボランティアだから』って笑っている姿を見るのは、僕も切ないニャ。
「多頭飼育崩壊」への転落
最も悲劇的なのが、救いたい一心で引き受けすぎ、自分自身が崩壊の加害者になってしまうケースです。
最初は数匹の保護から始まった。
しかし「ボランティアなんだから断らないで」という周囲の圧力や、自分の使命感から、医療費も場所も限界を超えて受け入れてしまう。
資金が尽きて適切な医療や食事が与えられなくなり、不衛生な環境で猫も人も病んでいく。
最後は行政が介入し、活動者は「虐待者」として社会的に抹殺される…という、救いのない結末を辿ることがあります。
「医療費借金」による生活破綻
命を救うためならと、自分の生活費をすべて注ぎ込んでしまうパターンです。
貯金を切り崩すだけでは足りず、クレジットカードのキャッシングや消費者金融で医療費を工面するようになる。
1匹15万円の治療が重なれば、一瞬で数百万円の負債を抱えます。
自分の家賃や光熱費が払えなくなり、最悪の場合は自己破産。
それでも「猫がいるから」と再就職もままならず、住む場所すら失う人もいます。
「精神的な摩耗」と「燃え尽き」
お金以上に深刻なのが、周囲からのバッシングと、死と向き合い続けることによる精神の崩壊です。
24時間の看病で睡眠不足になり、さらにSNSで「なぜ全頭救わないのか」「寄付を募るのは金儲けだ」といった心ない中傷を受ける。
重度のうつ病を発症したり、人間不信に陥って社会から孤立する。
ある日突然、糸が切れたように全ての連絡を絶ち、活動から消えてしまう(バーンアウト)ケースは後を絶ちません。
僕は知ってしまったんだ。善意だけで走っていた人たちが、借金やバッシングでボロボロになって、最後には活動を続けられなくなる現実を。
ニャ…。そうなったら、救われるはずだった僕たちも、結局行き場を失ってしまうニャ。
だからこそ『ボランティア』という言葉に甘えちゃいけない。救う側がプロとして対価を得て、自分自身を守れる仕組みがないと、救える命も救えなくなると僕はおもうんだ。
命を預かる「覚悟」を、お金で示すということ
僕はこう考えます。もし保護猫を家族として迎えるのであれば、その子を救うためにかかった医療費の「全額」を、里親が支払うべきではないかと。
それが、その命を生涯大切に育てていくという「覚悟」の証であり、救ってくれた活動者への最低限の敬意だと思うのです。
しかし現実は、バッシングを恐れ、赤字確定の「譲渡金」を設定し、足りない分を活動者が自腹で補填しています。
善意で始めた人が借金を抱え、破滅していくような構造は、絶対におかしい。
僕は思うんだ。救う側が身銭を切るんじゃなくて、迎える側がそのコストをしっかり背負うべきじゃないかって。それが命を預かる『責任』だと思うから。
理想はそうニャ。でも、それを今の日本でやろうとすると、『猫に値段をつけて売っているのか!』って叩く人もいるのが現実ニャ…。他にも善意を汚す「詐欺」の横行が沢山あってちゃんとした活動をしている人の足を引っ張てるんだ。
善意を汚す「詐欺」の横行と、信頼という壁
なぜ、正当な費用を請求したり、支援を募ったりすることがこれほどまでに難しいのか。
その背景には、保護猫活動を騙った「詐欺」や「不適切な団体」の存在があります。
保護活動を隠れ家にした「ビジネス(偽装愛護)
「殺処分から救う」と謳いながら、実際には劣悪な環境で猫を世話し、高額な寄付金だけを搾取して消える団体が後を絶ちません。
虚偽の医療費請求
実際の治療費以上の金額を請求したり、存在しない病気の治療費として寄付を募ったりするケース。
こうした詐欺が横行しているせいで、真面目に活動している人たちまで「お金の話をすると疑われる」という風評被害を受けています。
活動実態のないSNS募金
かわいそうな猫の画像をどこからか拾ってきて、個人の口座に振り込ませようとする詐欺も増えています。
こうした「嘘」が溢れているせいで、ネット上には「保護活動=怪しい、金儲け」という極端な偏見が生まれてしまいました。
その結果、誠実な活動者ほど「疑われたくない」と萎縮し、必要な費用すら請求できずに自腹を切って、借金を抱え、心身ともに破滅していく…という、最悪のループに陥っているのです。
一部の詐欺のせいで、一生懸命な人たちが救われない。そんなの、あまりにも不条理だよ。
だから、活動の中身をちゃんと見てもらうための『透明性』が、これまで以上に大事になってくるんだニャ。
そうだね。だから僕は、このサイトで収支を明確にしたいんだ。Web屋として『嘘のない活動』を支える仕組みを作りたい。詐欺と戦いながら、活動者を守るために。
「ボランティア」という言葉が招く、無責任な押し付け
詐欺の横行による「信頼の欠如」と並んで、活動者の首を絞めているのが、相談者や依頼者の間に根深くある「ボランティアなんだから無料(タダ)でしょ?」という思い込みです。
「丸投げ」される命の責任
「家の前に猫がいる。ボランティアなんだから助けに来て、全部やってよ」
という相談。
そこには、猫を助けるための医療費や、日々の食事代、捕獲のためのガソリン代を自分が負担するという発想が欠落していることが少なくない。
「ほっとけない」善意への付け込み
活動者は、目の前の命を見捨てる勇気を持てません。
相談者が「お金がない、時間がない」と言えば、結局は活動者が自分の時間や生活費を削って、その命を肩代わりすることになる。
対価を求めると「悪」にされる矛盾
一歩引いて、正当な実費負担をお願いすると
「金を取るのか」
「助ける気がないのか」
と逆ギレされることすらある。
一人の人間が、他人の「助けたい」という気持ちまで経済的に肩代わりし、24時間体制で身を削る。
これを「ボランティア」という美談で片付けていいはずがありません。
僕が一番よくないとおもうのがこれなんだ。相談してきた人が『ボランティアでしょ』と一切の費用を負担せず、結局、活動者が自分のお金で救っている姿。これじゃ、善意のある人から順番に破滅してしまうよ。
みんな『助けて』とは言うけれど、その命を救うための『痛み(コスト)』を背負おうとする人は、驚くほど少ないニャ…。
『ボランティア』という言葉の響きの良さに、みんなが甘えている気がする。命を救うのは、誰か一人の犠牲の上に乗っかるものじゃないはずだ。救う側も、相談する側も、みんなが自分の責任を果たせる仕組みが必要なんだって本当に強くおもうよ。