ボランティアの関心がないWeb屋。「動物より人間だろ」と思っていた俺が、野良猫のTNR・保護に足を踏み入れた理由。

カテゴリー: ゆいログ > 善意の崩壊プロセス
ボランティアの関心がないWeb屋。「動物より人間だろ」と思っていた俺が、野良猫のTNR・保護に足を踏み入れた理由。

「命を救う? それより先に助けるべき人間がいるだろ」

少し前までの俺は、本気でそう思っていた。
フリーランスのWeb屋として、画面の向こう側の数字と成果だけを追う毎日。
動物愛護だのボランティアだの、そんなものは余裕のある人間がやる「綺麗な趣味」に過ぎないと、冷めた目で見ていたんだ。

そんな俺が、なぜ自分のプロスキルを無償で全投入し、保護猫だのTNRだのという泥臭い世界に足を踏み入れることになったのか。

きっかけは、崇高な理念なんかじゃない。
故郷からの切実なSOSと、Web屋としての「計算」、そしてほんの少しの「義理」だった。

これは、ボランティア精神ゼロだった俺が、後に「善意の崩壊」を目の当たりにする前日譚。

まずは俺がこの世界に足を踏み入れた、最初の動機から話そう。

動物より人間だろ。
Web屋の俺が持っていた冷徹な視点

かつての俺にとって、ボランティアは「遠い世界の綺麗事」でしかなかった。
数字と効率を最優先するWeb屋の目に、その活動はどう映っていたのか。

「命を救う? それより先に助けるべき人間がいるだろ」

フリーランスのWeb屋として、画面の向こう側の数字と成果だけを追う毎日。
どの導線が一番コンバージョンを生むか、いかにクライアントの利益を最大化するか。
それが俺にとっての正義であり、すべてだった。

動物愛護やボランティアなんて、心の余裕がある人間が自己満足でやっている「綺麗な趣味」に過ぎない。
そんな暇があるなら、まずは目の前の経済を回すべきだと、冷めた目で見ていたんだ。

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そんなゆいさんの元に、ある日「故郷からの相談」が届くわけですよね。それも、よりによって一番関心のなかった「野良猫の保護」という内容で。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

うん。きっかけは俺の母親だった。故郷で一人、野良猫のTNRや保護活動に奔走している人がいて、活動費が底をつきそうだと。その活動者の家族には俺も幼少の頃に世話になった恩があったんだ。

「ホームページを作って、世間の信用を得たい。でもそんなお金はない」

そんな切実な相談が、母を通じて舞い込んできた。
プロとして断る理由はいくらでもあったが、田舎特有の「義理」ってやつが、俺の足を止めさせたんだ。

最初は「一日で終わせよう」と思っていた。
軽い気持ちで引き受けたサポート

恩義がある人の頼みとはいえ、最初は最小限の工数で済ませるつもりだった。
だが、目の前に現れたのは、プロの手を借りなければ1ミリも進まない過酷な現実だった。

「命を救う? それより先に助けるべき人間がいるだろ」

フリーランスのWeb屋として、画面の向こう側の数字と成果だけを追う毎日。
どの導線が一番コンバージョンを生むか、いかにクライアントの利益を最大化するか。
それが俺にとっての正義であり、すべてだった。

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「義理」で引き受けたとはいえ、最初はそこまで深く入り込むつもりはなかったんですよね?

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

ああ。自分の開発しているWordPressテーマを無償で提供して、一日くらいレクチャーすれば、あとは向こうで自走できるだろうと考えていた。「故郷へのちょっとした恩返し」程度の、ごく軽い気持ちだったんだ。

でも、いざコンタクトを取ってみて驚いた。
相手はPCに関しては全くの素人。
ドメインどころか「ブラウザ」という言葉すら通じない。
このままテーマだけ渡しても、絶対に形にならないのは明白だった。

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聴徳りん
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普通ならそこで諦めそうなものですが、ゆいさんは逆に「すべてを無償で引き受ける」という極端な決断をします。

プロの「欲」と「勝算」。
無償フルコミットを決めたWeb屋の計算

ただの親切心だけで、自分の時間を100%差し出すことはできない。
PC素人の活動者の先に、俺はWeb屋としての「確かな可能性」を見ていた。

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聴徳りん
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「ブラウザも分からない」という相手に対して、なぜ投げ出さずに、むしろサイト構築から運用まで全部やると決めたんですか?

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

相手のSNSを分析して、驚いたんだ。動画系SNSで1万人以上のフォロワーがいて、素材としての熱量は凄まじい。なのに、適切な受け皿(サイト)がないせいで、支援がすべてこぼれ落ちていた。

「正しく導線を引けば、寄付も物資も桁違いに集まる」

そう直感したとき、俺の中で「欲」が動いた。
圧倒的な数字を出せば俺自身の強力な実績になるし、ゆくゆくは企業協賛を募る収益モデルも作れる。
単なる善意じゃない。プロとしての「勝算」が、俺を本気にさせたんだ。

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聴徳りん
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「純粋な善意」ではなく、プロとしての「実績作り」がガソリンになったわけですね。

サイト構築・運用のフルサポート
の幕が上がった

中途半端に教える手間が、一番のコストになる。
Web屋としての生存本能が、俺に「全権を握る」という決断をさせた。

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聴徳りん
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「ビジネスとしての勝算」だけでなく、もっと現実的な「時間の問題」もあったわけですね。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

そうなんだ。電話で何度かやり取りをしたが、本当に何も進まない。
このまま「教えながら進める」なんてやり方をしてたら、いつまで経っても終わらないし、解からない度に質問攻めにされたら俺の仕事が止まってしまう。

現場の活動内容まで責任は持てないが、せめて「Webサイトの運用」という箱については、俺が全部巻き取ってしまった方が、結果的に早くて確実だと思ったんだ。

幸い、フォロワーという「土台」はあったから、俺が本気で仕組みを作れば強力な俺の事業の宣伝にもなる。
そうして、俺の技術を無償で注ぎ込むプロジェクトが動き出したんだ。

何度も説明、何度も空振…
1ミリも「伝わらない」という壁

無償で引き受けている以上、自分の時間を守るための「効率化」は絶対条件だった。
だが、どれだけ提案しても、相手の世界に「こちらの都合」は1ミリも存在していなかった。

具体的には、情報の受け皿としてGoogleフォームを用意した。
なぜフォームかと言えば、大量にいる猫の「名前」「状態」「写真」を紐付けてストックしなきゃ、サイトの記事なんて書けないからだ。
LINEだと情報が流れて混ざるし、あとで検索もできない。
有料の案件なら付き合うが、無償である以上、このフローに乗ってもらわないと俺の生活が壊れてしまう。

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聴徳りん
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「無償だからこそ、ルールを守ってほしい」というのは、プロとして当然の要求ですよね。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

ああ。だが、そのフォームは一度も使われることはなかった。返ってくるのは、相変わらずのLINE連打。相手は自分が伝えたい瞬間、自分がやってほしいタイミングで、唐突に大量の写真や動画を送りつけてくる。

「この子が○○で」と書かれても、俺にはどの猫のことか判別がつかない。
そのバラバラな情報を整理するだけで俺の時間はどんどん溶けていくんだ。

どれだけ理屈を説いても、相手の世界に「こちらの効率」なんて言葉は1ミリも存在していなかった。

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聴徳りん
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その状況を、どうやって乗り越えたんですか?

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

正面から向き合っていたら俺が潰れる。そう直感したから、やり方を変えた。

相手の素材を待つのではなく、活動者がSNSに上げた動画をAIに読ませて、そこから記事を自動生成する仕組みを作った。
相手に変わってもらうのを諦め、テクノロジーで俺の負担を強制的に削る。
そうやって、自分の時間を死守しながら「情報の器」を回し続けることにしたんだ。

相手に変わってもらうことを諦め、自分の時間を守るためにテクノロジーで完結させる。

ボランティアという言葉から連想される「寄り添い」とは真逆の、プロとしての冷徹で現実的な判断でした。
ですが、そのドライな割り切りが、皮肉にもこの活動を未曾有のステージへと押し上げることになります。

さて、次回はそんなゆいさんの「情報の器」が、いかにして支援者たちの心を動かしたのか。
公開からわずか3ヶ月で叩き出された「約200万円以上の寄付・1.7万PV」という、個人の保護活動では異例すぎる成果の舞台裏に迫ります。

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聴徳りん
AIアナ

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