大阪で迎え手の少ない保護猫に寄り添う看取りシェルター「winハウス」さんの紹介後記

カテゴリー: 紹介後記 > 保護猫活動

大阪府で、病気や障害などの理由から迎え手が見つかりにくい保護猫たちを受け入れ、看取りまで寄り添う活動を続けている「winハウス」さんの紹介記事を公開しました。

winハウスさんのお話を聞き、紹介記事を作成するまで、結び-LINKが知らなかったこと、想像できていなかった現実が数多くありました。

なぜ、迎え手の少ない猫たちを自分が受け入れるという道を選んだのか。

その活動を続ける日々には、外から見ているだけでは分からない苦労や負担、そして保護猫活動を取り巻くさまざまな問題がありました。

この記事では、winハウスさんの紹介記事を作成する中で、結び-LINKが感じたことや、改めて多くの方に知ってほしいと思ったことを、紹介後記として綴っています。

看取りシェルター 迎え手が見つかりにくい保護猫たちを、自分が受け入れるという選択

winハウスさんのお話を聞くまで、「看取りシェルター」という活動の形を知りませんでした。

保護された猫たちは、みんな同じ場所にいると思っていた

保護猫シェルターと聞くと、保護された猫たちが年齢や体の状態にかかわらず、同じ場所でお世話を受けながら、新しい家族との出会いを待っているものだと思っていました。

病気や障害を抱えた猫、老猫など、迎え手が見つかりにくい猫たちを受け入れ、必要なお世話を続けながら最期まで向き合う「看取りシェルター」という活動の形があることを、winハウスさんのお話を通して初めて知りました。

考えてみれば、子猫や比較的元気な猫と、病気や障害を抱えた猫、老猫とでは、新しい家族につながる機会が同じではないことも分かります。

継続的な治療や介助が必要になる可能性を考えれば、迎える側にも大きな覚悟が必要です。
病気や障害がある猫、年を重ねた猫ほど、迎えたいと手を挙げる方が少なくなってしまう現実は、確かにあるのだと思いました。

自分は、迎え手の少ない保護猫たちと向き合いたい

winハウスさんは、子猫を救っている活動者さんはほかにも多く、里親さんにつながる機会もたくさんあると感じたからこそ、自分は病気や障害を抱えた猫など、迎え手の少ない猫たちと向き合いたいと考えたそうです。

多くの人が手を差し伸べる猫ではなく、行き場を失いやすい猫たちを自分が受け入れる。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

看取りシェルターという存在を初めて知ったことと同時に、winハウスさんが選んだその覚悟が、強く印象に残りました。

寄り添うということ 看取りシェルターという言葉の裏にあった、想像を超える現実

病気や障害を抱えた保護猫に寄り添い、最期まで支える。
その言葉の裏には、想像していたよりも、はるかに厳しい日々の現実がありました。

「寄り添う」という言葉だけでは見えない日々のお世話

病気や障害を抱えた猫のお世話は、食事を用意し、掃除するだけではありません。
体の状態によっては目を離せない時間も多く、自分でうまく排泄できない猫には、そのたびに介助や掃除が必要になります。

排泄物で汚れた体や床を何度もきれいにし、体調の変化を見ながら、それぞれの猫に必要なケアを続けていく。
その一つを想像しただけでも、毎日繰り返す大変さは計り知れません。

人間のように言葉で痛みや苦しさを伝えられるわけでもありません。
こちらの言葉を理解し、じっと治療を受けてくれるとも限らない猫たちに寄り添いながら、何匹もの命を毎日ケアしていく。

正直に言えば、自分に同じことができるかと聞かれたら、おそらくできないと思います。
猫が好き、助けたいという気持ちだけでは続けられないほどの時間と体力、そして覚悟が必要な活動なのだと感じました。

いくら必要になるのか分からない医療費の怖さ

日々のお世話に加えて、重くのしかかってくるのが医療費です。
病気や障害を抱えた猫が多いからこそ、どのような治療が必要になり、これからいくらかかるのかを事前に見通すことは簡単ではありません。

一度の手術で終わるとは限らず、その後も検査や通院、投薬、処置が続くことがあります。
別の症状が見つかれば、新たな治療が必要になることもあります。

人間のような公的な健康保険があるわけではなく、必要になった医療費は、そのまま大きな負担としてのしかかります。

今いる猫たちの治療を続けられるのか。

急な手術が必要になったとき、費用を用意できるのか。

命に向き合いながら、常にお金のことも考えなければならないプレッシャーは、相当大きなものだと思いました。

支援だけでは賄いきれない費用は、自分たちが背負うことになる

winハウスさんは、支援してくださる方々に支えられながら活動を続けています。
その善意がなければ、続けることが難しい活動であることは間違いありません。

しかし、支援金だけで、すべての医療費や日々の費用を賄えているわけではありません。
足りない費用は、結局、活動者さん自身が負担することになります。

医療費だけではなく、毎日の食事や猫砂、衛生用品、介護に必要なものなど、猫たちが生きていくための費用は休むことなくかかり続けます。
支援が集まったから安心できるのではなく、いつ必要になるか分からない医療費と日々の出費を抱えながら、活動を続けているのが現実です。

「看取りシェルター」という言葉には、命の最期まで寄り添う温かさがあります。
しかし、その温かい言葉の裏には、私には簡単に想像することさえできなかったほどの苦労と、重い負担がありました。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

お話を聞き、ただ優しい場所として見るのではなく、その場所を守り続けるために、活動者さんが何を背負っているのかまで知る必要があると、しみじみ感じました。

人に疲弊する現実 目指している事は同じはずなのに、人間関係が保護猫活動の負担になっている

winハウスさんの紹介記事を作成する中で、保護猫活動では、猫たちのお世話や医療費だけではなく、人間関係によって活動者さんの時間や気力が削られてしまう現実にも改めて向き合いました。

以前から耳にしていた話や、画面越しに見てきたことが、決して遠い世界の出来事ではないのだと実感しました。

以前から聞いていた、保護猫活動者同士の人間関係

以前、私が協力していた保護猫活動者さんも、団体の中で起きる人間関係に嫌気が差し、あえて個人で活動していました。
その方から、保護活動の中で起きる人間関係の難しさについて聞いたことはありましたが、当時の私には、なぜ同じ命を救う人たちの間でそこまで深刻な問題が起きるのか、正直なところ実感できていませんでした。

ほかのメディアなどでも、動物保護活動者同士の対立や足の引っ張り合いについて目にすることはありました。
それでも、どこか遠い世界の話のように受け止めていました。

しかし今回、winハウスさんからも、猫を助ける活動の中で人間同士の嫉妬や足の引っ張り合いがあり、本来は猫たちのために使いたい時間や気力を削られてきたと聞きました。
以前聞いていた話や、画面越しに見ていた話は、本当に保護猫活動の現場で起きていることなのだと、初めて現実味を持って感じました。

一つになれば、社会を動かす力にもなれるはずなのに

以前、坂上忍さんが、日本全国の動物保護団体や個人活動者が一つになれば、法律を動かすほどの大きな力にもなれる一方で、現実には一つになることは難しい、という趣旨の話をしているのを見たことがあります。

保護猫活動者さん一人ひとりが持つ力には限界があります。
それでも、全国で活動している団体や個人が同じ方向を向き、一つの大きな声になれば、今の法律や社会の仕組みを変えるほどの力になる可能性はあるはずです。

活動の方法や考え方が、すべて同じである必要はない。
子猫を保護して里親へつなぐ人もいれば、TNRを続ける人、病気や障害を抱えた猫を受け入れる人、最期まで看取る人もいます。

担う役割は違っても、不幸な命を減らしたい、無くしたいという目指すところは同じはずです。
それなのに、人間同士の嫉妬や対立によって分断され、同じ命を救っている人の足を引っ張り、活動を続けるための時間や気力まで奪ってしまう。

本来であれば社会を動かすほどの大きな力になれる人たちが、人間関係によって消耗していく。
その現実を、とても残念に思いました。

人間のエゴで、同じ命を救う人まで疲弊させてはいけない

外で苦しむ猫や、保護を必要とする猫が生まれている背景には、人間の身勝手な行動があります。
命を捨てる人がいたり、避妊去勢をせずに外へ出したり、無責任に餌をあげる人がいたり、増えてしまった命の責任を取らない人たちがいる。

そうして人間が生み出した問題を、見て見ぬふりができなかった活動者さんたちが、自分の時間やお金を使いながら背負っている現実があると実感しています。

それなのに、同じ命を救う側にも人間のエゴが現れ、嫉妬や対抗意識によって、同じ場所を目指す人の足を引っ張ってしまう…。

人である以上、考え方の違いや感情が生まれることは避けられないと思います。
どうしても受け入れられないのであれば、距離を置き、それぞれの場所で自分にできる活動を続ければいいのに…。

相手の活動を妨げたり、猫たちに向けるはずだった時間や気力を奪ったりする必要はないと思うし本当に無駄なことでしかない。
誰かを疲弊させて活動を続けられない状態に追い込めば、その先で行き場を失うのは、助けを必要としている猫たちだから。

結び-LINKは、「善意で活動する人が疲弊しない世の中にしたい」という思いから始めました。
だからこそ、活動者さんを苦しめているのが、日々のお世話や医療費だけではなく、同じ命を救おうとする人間同士の問題でもあるという現実は、無意味でしかないと強く思うし、とても悲しくなります。

活動方法や考え方が違っても、それぞれが担っている役割を認め合う。
足を引っ張るのではなく、自分にできることに向き合う。
一人ひとりがそう考えられなければ、不幸な命を生み出している社会の仕組みを、大きく変えていくことはできないのではないかと強く思ってしまいました。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

特に匿名が許されるSNSでの足の引っ張り合い。いや、もはや一方の引っ張りは本当に酷いと私自身も感じています。

TNRの必要性 なぜ野良猫は増え続けるのか。

winハウスさんの紹介記事を作成する中で、目の前の猫を保護して治療することの大切さだけではなく、そもそも、なぜこれほど多くの猫が外で暮らし、保護を必要としているのかを考えました。

助け続けることと同時に、これ以上、不幸な命を増やさないための取り組みが必要なのだと改めて感じました。

そもそも、なぜ野良猫がいるのか

外で暮らす猫たちは、好きで野良猫になったわけではありません。
もともとは人に飼われていた猫が捨てられたり、避妊去勢をしないまま外へ出された猫が繁殖したりして、今の状況が生まれています。

その猫たちが外で子どもを産み、さらに数が増えていく。
事故に遭う猫や、病気になっても治療を受けられない猫、十分な食事を得られない猫も生まれます。

そして、重い病気や障害を抱え、行き場を失った猫たちを、winハウスさんのような活動者さんが引き受けています。

活動者さんが目の前の命を救い続けても、その一方で外では新しい命が生まれ続けている。

保護しても、保護しても、終わりが見えない状況になってしまうのは、活動者さんの努力が足りないからではありません。
そもそもが、人間が生み出した問題の根本が、変わっていないからだと結び-LINKは思っています。

保護を必要とする命を増やさないためのTNR

今回、改めて絶対に必要だと感じたのがTNRです。

外で暮らす猫を捕獲し、避妊去勢手術を行い、元いた場所へ戻し地域で見守る。
すでに生きている猫の命を守りながら、これ以上、外で生まれる猫を増やさないための活動です。

保護して新しい家族へつなぐことも、病気や障害を抱えた猫を最期まで支えることも必要です。
しかし、保護を必要とする猫が生まれ続ける状況を変えなければ、活動者さんの負担も、不幸な命も減っていかない。

猫を捨てない。
避妊去勢をせず、無責任に外へ出さない。
かわいそうだからと去勢手術もせずに餌だけを与え、増えた後の責任を善意の活動者さんへ押しつけない。

野良猫の問題は、猫が起こしている問題ではない。
人間の行動によって生まれ、人間が向き合わなければならない問題。

winハウスさんが受け入れている猫たちの存在を知り、目の前の命を救う活動者さんだけに、この責任を背負わせ続けてはいけないと感じました。

看取りシェルターが必要とされている現実を知ること。
そして、そのような場所を必要とする猫を、これ以上増やさないために何ができるのかを考えること。

結び-LINK管理者「ゆい」
ゆい

その両方が必要なのだと、改めて強く思いました。

知ることから。 大阪で保護猫活動と看取りシェルターを運営するwinハウスさんの紹介記事

winハウスさんの紹介記事を作成するまで、看取りシェルターという存在すら知りませんでした。
知らなければ、そこでどのような猫たちが暮らし、活動者さんが何を背負いながら命と向き合っているのかを考えることもありませんでした。

まずは知ってほしいです。

私に同じことは絶対にできません。

だからこそ、実際にその役割を背負っている人たちの現実を、知らないままで終わらせたくないと思いました。

まずは、知ってほしいです。

そして、なぜ看取りシェルターが必要とされているのか。
なぜ今も、保護や看取りを必要とする猫たちが生まれ続けているのか。

winハウスさんが、どのような想いから保護猫の看取りシェルターの運営を始め、どのような命と向き合い、日々の活動のなかで問題や課題に向き合っているのかを、紹介記事で知っていただきたいです。
そして、命について考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

メッセージを送る

※送信されたコメントは管理者が確認した後に公開されます。