迎え手の少ない外猫に寄り添い看取る。大阪府で保護猫シェルター「winハウス」を運営する活動者さんを紹介します。

結び-LINKをご覧くださっている方から、「大阪のwinハウスさんをぜひ紹介してほしい」というお声をいただきました。

その声をきっかけにwinハウスさんの活動を知り、結び-LINKとしても、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思いました。

winハウスさんは、事故や病気、障害を抱えた猫たち、そして一般のご家庭では受け入れが難しい猫たちと向き合いながら活動されています。

そんな想いを持ちながら、現在は看取りシェルターへ移行されているwinハウスさん。

今回は、winハウスさんがどのような想いで活動を続けてこられたのか、その歩みを紹介させていただきます。

ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

大阪府で保護猫シェルターを運営するwinハウスさん

大阪府を拠点に、保護猫活動を続けながら猫のシェルターを運営しているwinハウスさん。

winハウスさんは、動物2種申請済みのシェルターとして、子猫を含めた保護猫の里親募集にも向き合いながら、これまで約330匹の猫たちの保護や譲渡に関わってきたそうです。

現在は、これまでの保護猫活動から、看取りが必要な猫たちと向き合うシェルターへ移行中だとお話しくださいました。

事故や病気、障害を抱えた子、一般のご家庭では受け入れが難しい子たち。

そうした猫たちの命と向き合う場所として、winハウスさんは形を少しずつ変えながら、看取りシェルターへの移行を進めているそうです。

子育てがひと段落し、保護猫活動により深く向き合えるように

winハウスさんが保護猫活動に、より深く向き合えるようになったきっかけは、お子さんの進学だったそうです。

子育てがひと段落したことで、これまで以上に猫たちのために時間を使えるようになったと教えてくださいました。

それまでも猫たちと向き合ってきた中で、さらに活動へ力を注げる環境が整ったことが、winハウスさんの歩みを進める大きなきっかけになったそうです。

保護猫の看取りシェルターへ移行していったきっかけ

winハウスさんが現在の看取りシェルターという形へ移行していく中には、忘れられない猫たちとの出会いがあったことを話してくださいました。

それは、ただ保護をした、治療をした、看取ったという話だけではありませんでした。

安楽死と言われた事故猫との出会い

最初にお話しくださったのは、事故に遭い、背骨を3箇所折っていた猫のことでした。

2件の病院では安楽死をすすめられたそうですが、かかりつけの先生からは、「安楽死という判断をしなくてもいい」と言われたと教えてくださいました。

その子は下半身不随になったものの、2週間ほど経つ頃には少しずつ動きが出て、ご飯も食べられるようになり、2ヶ月を過ぎた頃には下半身を引きずりながら走る姿まで見せてくれたそうです。

その姿を見た時、winハウスさんは、「助けてあげることができて本当によかった」と話してくださいました。

鼻腔内リンパ腫の外猫を看取った経験

もう一つ、大きなきっかけになったのが、長毛の外猫との出会いでした。

鼻が腫れていたその子は鼻腔内リンパ腫で、長くはないと分かったうえで保護し、保護から27日後に旅立ったそうです。

外では触れないと言われていた子だったそうですが、保護してからは毛のケアをさせてくれたり、お腹の上で寝てくれたりしたと教えてくださいました。

先に保護していた黒猫さんと、winハウスさんを取り合うような姿も見せてくれたそうです。

短い時間だったとしても、その子らしく過ごせた日々があり、亡くなったあとには、不思議とお線香の香りを感じることもあったと話してくださいました。

外で暮らす迎え手の少ない猫たちへ

鼻腔内リンパ腫の子を看取ったことをきっかけに、winハウスさんの気持ちは変わっていったそうです。

子猫は、救ってくれる活動者さんも、里親さんにつながる機会もたくさんある。

それなら自分は、外で暮らす成猫や老猫、病気や障害を抱えた子、迎え手の少ない猫たちと向き合っていきたい。

そうした想いが、現在の看取りシェルターへの移行につながっていったそうです。

保護猫の看取りシェルターとして向き合ってきた命

看取りシェルターへ移行しているwinハウスさんのもとには、病気や障害を抱え、一般のご家庭では受け入れが難しい猫たちがいると話してくれました。

その中には、事故によって排泄に大きな障害を負った子や、何度も手術を重ねながら命をつないできた子もいたそうです。

尿道断裂の事故猫と、何度も重ねた手術

事故によって尿道が断裂し、緊急手術を受けた猫のことも話してくださいました。

その子は腹部尿道瘻の手術を受け、お腹からオシッコが出るようにした猫だったそうで、その後も膀胱がゴルフボールのような状態になり、何度も手術を繰り返し、最後には、小児胃瘻を膀胱に入れる手術も受けたそうです。

柔らかい膀胱ではなかったため痛みもあったようで、命をつなぐために大きな治療を重ねてきた子だったと教えてくださいました。

病院や先生のことが大好きで、「あっはーーん」と鳴く、たくさんの人に可愛がられた猫だったそうですが、一方で家の中はオシッコだらけになり、身体のケアも必要で、嫌がることもしなければならないお互いに辛い日々があった…。

それでもwinハウスさんにとっては、「愛して愛した子」

と話してくださいました。

エンジンルーム事故で排泄麻痺を負った猫との闘病

子猫の時にエンジンルームで事故に遭い、体の一部が巻き込まれてしまった猫のことも教えてくださいました。

その子は断尾し、縫い合わせの処置を受けたあと、保健所から団体さんを介してレスキューされた猫だったそうで、見た目は普通の猫と同じでも、自力で排泄することができない子だったそうです。

膀胱の中には、炎症から白いゴムのようなものができ、それが感染源となり、生死に関わる状態を短期間に何度も繰り返したと話してくださいました。

会陰尿道瘻の手術を受け、その後は膀胱鏡も入れて、なんとか命をつなぐことができましたが、それでも毎日2回のカテーテル導尿が必要になり、排便も押し出し方式だったそうです。

まだ3歳という若さで、数値検査では助けられる状況だったため、winハウスさんは安楽死ではなく、助けるための手術を選んだと教えてくださいました。

その膀胱は獣医の教科書にも前例のない状態だったそうで、最後には膀胱を取らざるを得ない状況にまで進んだと話してくださいました。

排泄麻痺があり、家の中も大変だったそうですが、それでも走り回る姿を見せてくれる、とてもお利口な子だったそうです。

この子もまた、winハウスさんにとって「愛して愛した子」でした。

保護して終わりではない日々

こうした猫たちとの日々は、保護したから終わりではない…。
手術や通院、排泄の介助、身体のケア、痛みや不調との向き合いが続いていく。
時には、その子が嫌がることでも、命を守るためにしなければならない場面もある。

それでも、
病気や障害があることで行き場を失い、

見捨てられてしまう命があるのなら、
その子たちと最後まで付き合っていきたい。

winハウスさんは、そうした強い想いと覚悟で、今も一匹一匹の命と向き合い続けているとお話をしてくれました。

保護猫活動を続ける中で感じてきた大変さ

保護猫活動を続ける中で大変だったこととして、winハウスさんは、猫たちと向き合うこと以外にも、人間関係の難しさがあったと話してくれました。

猫を助ける活動の中で、人間関係に悩むこともある

猫を助けることが目的のはずなのに、人間同士の嫉妬や足の引っ張り合いがあり、それが活動の足枷になってしまうこともあったそうです。

本来なら猫たちのために使いたい時間や気力が、人間関係の問題に削られてしまう。
そのことが精神的にも時間的にも大きな負担になったと話してくれました。

命と向き合う活動だからこそ、猫たちのことだけを考えて動きたい。

それでも現実には、人との関わりの中で悩むこともあり、その難しさも保護猫活動を続ける中で避けて通れないものだったそうです。

保護猫の看取りシェルターとして向き合う医療費の現実

看取りが必要な猫たち、重い病気や障害を抱えた猫たちと向き合う中で、winハウスさんが大きな課題として話してくれたのが医療費の負担でした。

特殊な症例の保護猫たちにかかる医療費

winハウスさんのもとには、一般的な保護猫活動の中でも、特に医療や介助が必要な子たちが多いと言います。

事故による障害、排泄障害、重い病気、看取りが必要な状態など、特殊な症例の子たちと向き合う看取りシェルターだからこそ、医療費はどうしても膨大になっていくと話してくれました。

通院や手術だけではなく、日々のケアや状態の変化に合わせた対応も必要になるため、一度保護して終わりではなく、その子が生きていく時間に合わせて医療費も積み重なっていく現実があるそうです。

支援への感謝と、支援金だけでは賄えない現実も

保護した猫たちの医療や日々のお世話を続けていけるのは、気にかけ、応援し、必要な時に手を差し伸べてくださる方々の支えがあるからこそで、その存在をwinハウスさんは心からありがたいと話してくれました。

ただ、看取りシェルターとして向き合っている猫たちは特殊な症例の子も多く、医療費の負担は支援金だけですべてを賄えるものではないそうです。

目の前の治療費だけではなく、その子たちがこれから生きていく時間にかかる費用とも向き合い続けなければならない。

支援への大きな感謝があるからこそ、その現実も隠さずに伝えてくれました。

支援金の使い道と透明性について

winハウスさんは、いただいた支援金は医療費にしか使っていないと話してくれました。
医療費の明細はすべて保管し、確定申告も毎年行っているそうです。

病気や障害を抱えた子たちと向き合う活動だからこそ、医療費の負担は大きくなってしまう。

だからこそ、支援してくださる方の想いを猫たちの治療とケアにつなげるために、使い道を明確にしながら活動を続けていると話してくれました。

保護してからが本当の始まり、
看取りシェルターの現実をもっと知ってほしい

猫が保護されたと聞くと、それだけで安心したように感じてしまうことがありますが、winハウスさんは、保護猫活動は保護して終わりではなく、そこからその子の猫生を支えていく活動だと話してくれました。

保護の先まで見守ってほしい

どの動物保護活動でも、保護してからが本当の始まりです。

その中でも看取りシェルターでは、病気やハンデを抱えた子、排泄の介助が必要な子、譲渡につながることが難しい子、最期の時間まで見守りが必要な子たちと、保護された後も長く関わっていくことになります。

通院や治療、日々のケア、体調の変化に合わせた見守り、そして看取りまで続いていく時間があるからこそ、winハウスさんは、保護された瞬間だけを見るのではなく、その子の先まで追って見ていただけると嬉しいと話してくれました。

できる範囲で協力してくれる方が1人でも増えることで、猫たちが助かることも、あわせて教えてくれました。

保護猫活動を続けてきて良かったこと

大変なことも多い保護猫活動やシェルター運営の中で、それでも続けてきて良かったと感じる瞬間についても、winハウスさんは話してくれました。

本当の家族との赤い糸を見つけてあげられた時

外の過酷な環境で暮らしてきた猫たちや、ハンデを抱えた猫たちに、屋根のあるおうちで新しい家族と暮らせる環境を見つけてあげられた時。

その姿を見られることが、winハウスさんにとって、活動を続けてきて良かったと感じる大きな瞬間だと教えてくれました。

命を消したくないという想いに、小さい命が応えてくれる

保護した子の中には、事故や病気によって、獣医さんから匙を投げられるほど厳しい状態の猫ちゃんもいたそうです。

それでもwinハウスさんは、そこで終わりにしたくない、命を消したくないという想いで、その子に必要な治療やお世話を続けてきたと話してくれました。

すぐに元気になるわけではなく、先が見えない中でお世話を続ける日々。

その諦めないお世話に応えてくれるかのように、小さな命がもう一度生きようとして、少しずつ元気な姿を見せてくれる。

その命の強さを見られた時、winハウスさんは、この活動を続けてきて本当に良かったと、強く感じることを聞かせてくれました。

ひとりではなく、みんなで見送れた時

看取りの猫たちの中には、もし外で暮らしたままだったら、誰にも気づかれず、過酷な環境のなかで、ひとり、最期を迎えていたかもしれない子もいます。

そうした猫ちゃんたちを保護し、最期の時間を穏やかに過ごせるように見守り、ひとりではなく、みんなで送ってあげられた時、winハウスさんはこの活動を続けてきて本当に良かったと感じるそうです。

亡くなった後には、仲の良かった猫たちがそばに寄り添い、最後まで添い寝をするように見送っていたこともあったと教えてくれました。

ひとりで消えてしまっていたかもしれない命が、最後は人にも仲間にも見守られながら旅立っていく。

その最期を支え、穏やかに送ってあげられることに、看取りシェルターを続ける大きな意味を強く感じるのだと、winハウスさんは話してくださいました。

外で生きる猫たちの現実と、TNRの必要性を知ってほしい

大阪で保護猫活動を続け、シェルターを運営してきたwinハウスさんは、外で生きる猫たちの現実と、これ以上不幸な命を増やさないためのTNRの必要性を、もっと多くの方に知ってほしいと話してくれました。

外で暮らす猫にも、生きる権利がある

外で暮らす猫たちは、好きで野良猫として生きているわけではありません。
人間の暮らしの中で生まれ、人間の都合の中で外で生きるしかなくなったという現実がある。

暑さや寒さ、飢え、病気、事故の危険と隣り合わせの中で、それでも必死に生きている猫たちがいる。

同じ命が、ただ必死に生きようとしているだけ。

winハウスさんは、そうした野良猫たちにも生きる権利があることを、もっと多くの方に知ってほしいと話してくれました。

猫が苦手な人にこそ、TNRを知ってほしい

winハウスさんは、これまで興味関心がなかった人、特に猫が苦手な人や、外で暮らす猫を迷惑だと感じている人にこそ、TNRの必要性を知ってほしいと話してくれました。

猫を好きになってほしいという話ではない。

人間の都合で増えてしまった外猫たちをそのままにしておけば、また次の命が生まれ、その子たちも過酷で危険と隣り合わせの環境で生きていくことになります。

TNRは、外で生きるしかない猫たちをこれ以上増やさないために、不妊去勢手術を行い、これ以上不幸な命が生まれてしまう流れを止めていくための大切な取り組みです。

それは、猫のためだけではなく、鳴き声や糞尿、繁殖によるトラブルを減らし、人と猫が同じ地域で暮らしていくためにも必要なことです。

だからこそ、ただ迷惑だと感じて終わらせるのではなく、そもそも、なぜ外で暮らす猫たちがいるのか、なぜTNRが必要なのかを知ってほしいと教えてくれました。

これから保護猫活動を始めたい方へ

これから保護猫活動を始める人に伝えたいことはありますか?
とお聞きしたところ、winハウスさんは、覚悟と信念を持って向き合うことの大切さを話してくれました。

猫ちゃんたちを救いたいというその優しい気持ち、本当に素敵ですし、尊いものだと思います。

ただ、動物保護の現場って、実は外から見えている以上にシビアな現実がたくさんあるんです。

同じ「猫を助けたい」という目的を持っていても、やり方や考え方の違いで人間関係に悩んでしまったり、毎日のごはん代や高額な医療費といった「お金の現実」にドスンとぶつかったり…。
きれいごとだけではどうしても回らない瞬間がやってきます。

だからこそ、その温かい気持ちだけで何もかも無理に抱え込まないでほしいんです。

まずは現実をしっかり見つめること。
そのうえで、「自分にはどこまでのことができるか」「どうすれば無理なく続けていけるか」という、自分なりの形を見極めることが何より大切になると思います。

これから保護猫活動の一歩を踏み出そうとしているあなた自身が、ボロボロに疲弊してしまわないために。
どうか「これだけは守る」という覚悟と信念を持って、等身大のあなたで命と向き合っていってほしいです。

あなたのその優しい手が、長く、温かく差し伸べられ続けることを心から応援しています。

winハウスさんの活動を知る・応援するには

winハウスさんの日々の活動や、シェルターで暮らす猫ちゃんたちの様子は、公式ホームページやSNSからご覧いただけます。

winハウスさんは、お迎え(引き取り手)がいない猫ちゃんたちを最期までお世話する「看取りシェルター」を運営されています。
発信されている内容からは、猫ちゃんたちの日常だけでなく、命に寄り添うことのリアルさ、そしていま本当に必要としている支援の切実さが伝わってきます。

まずは、こうした猫ちゃんたちや活動の現実を知り、そのことを誰かに伝えていくこと。
それだけでも、winハウスさんの活動を支える大切な応援になると、結び-LINKは考えています。
ぜひ一度、公式ホームページやSNSから、winハウスさんの活動をご覧いただけたら嬉しいです。

winハウスさんの公式ホームページ

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結び-LINK 紹介後記も綴っていますのでお読みになってくらたら嬉しいです。

winハウスさんの紹介記事を作成して感じたこと、気づきなどを結びコラムの紹介後記で公開しています。